2010年8月26日木曜日

上海について




僕が上海を訪れたのは今回が初めてです。
はじめ外側から見ていると、都市の派手さや圧倒的なスケールのでかさにどうしても目が向かいがちでした。でも 上海で暮らす様々な人々に出会い直接関わっていく中で、上海で生きる人々のリアルな姿を知り、胸を打たれる瞬間が何度もありました。

今回の上海滞在で一番印象深く感動的だったのは、上海市内のあるお店で過ごした時間です。僕は上海の方が日本食をつくっている「梅亭」というお店ですきやきを食べました。




そこではお店の人がすきやきを日本式の食べ方で調理してくれます。味付けもかなり日本的でおいしかったです。きれいな日本語を話す方で、対応もとても丁寧で いろいろな話をして気持ちのいい時間を過ごしました。気持ちの優しいすごくいい人たちでした。

食べ終えてホテルで風呂に入りながら思い立って、ダッシュでもう一度「梅亭」に閉店ギリギリで駆け込み、最後に撮ったのが上の写真です。いつか上海に行くことがあったら、また訪れたいお店です。




経済成長の著しい上海ですが、一般の人々の収入は日本の約7分の1くらいとのこと。暮らしは質素な様子だったし、一人っ子政策があるので二人目の子どもが生まれると、その夫婦の年収の2倍の額の罰金になってしまいます。都心部のマンションは東京より高く、一般の人は郊外から職場に通っています。病気になると医療費が払えず自殺する人も大勢いると聞きました。派手さは上海のほんの一面に過ぎません。

よくネットで中国人は行列に平気で割りこんできて図々しいとかいろいろなことが書かれています。確かに多少の気質は土地によってあるとは思うけど、国籍や民族で人間を安易に括ってしまうことは、あまりに一方的な見方だと思います。
僕が見た上海の人々は、自分の仕事に非常にまじめで懸命に働く人ばかりでした。そして、国籍が違っても、こちらが気持ちよく接すると気持ちよく応えてくれる人がたくさんいたことが印象深いです。

どんな土地にもそれぞれいろんな人がいて、国籍はその人間を計る基準にはならないという当たり前のことを強く実感できたことが、今回の一番重い収穫でした。


2010年8月25日水曜日

上海 2




上海は中国一の経済都市としてものすごい速度で発展しています。
人口は約2000万人。

僕は今回、展覧会に会わせて4日間 上海に滞在しました。
初日の夜は遊覧船に乗り 海から上海の夜景を眺めました。上海市の中心部は近未来の都市のような高層ビルが建ち並び、どこも派手さと力強いエネルギーに満ちあふれているように見えました。




お茶の専門店では、目の前で店員がパフォーマンスを交えて様々なお茶を入れてくれます。日本語でお茶について説明してくれました。上海には日本語を話せる人がたくさんいます。



上海ヒルズ100階 展望台から街を眺望。インパクトのあるテレビ塔の造形。



上海の中で最も中国っぽいと言われる豫園。やはり僕は現代味に満ちた都心部よりも、このような伝統的な造形美に強い魅力を感じます。機能美の追求は造形をつまらなくしてしまう危険性があると考えさせられます。





上海万博にも行ってきました。
中国館はとにかく巨大です。




この日、中国館は7時間待ち。僕は予約券があったので2時間半程で入れました。
これは行列の一部です。見る度ゾッとします。



話題の動く絵。





スリランカのパビリオンはかなり魅力的です。



最終日には小舟で朱家角を訪問。







上海空港でレゴを見つけたので遊んできました。レゴは子どもの頃から大好きです。




2010年8月24日火曜日

上海 1




上海へ行ってきました。

「上海世博会(上海万博) 中・日・韓 美術作品交流展覧会」に絵画を出品しています。




会場は上海美術館。2010年8月21日〜8月27日まで開催しています。
オープニングの様子。




中国、日本、韓国から合計200名の作家が参加しています。




僕は「Electric sense」を出品しています。



たくさんの人々で会場が賑わっていました。




中国人アーティストの作品。




クセのある作品が並んでいます。









万博の中国館。






本展の分厚い画集がつくられました。




規模が大きく強者揃いの展覧会で、様々な刺激を得ることができました。

海外で作品を発表する度、自分の絵に対する鑑賞者の反応・興味の持ち方に共通するところがとても多いことに驚かされます。
絵画の鑑賞者に国籍は関係なく、美術は世界共通であるということをあらためて実感する瞬間です。


2010年8月19日木曜日

中国




明日から上海に行ってきます。


2010年8月18日水曜日

制作過程 3



僕は絵画を描かれた図像だけでなく一つの物質として強く意識しています。物質としての強度を生むために、板に白亜地を土台にして、描画はエアブラシ等は使わずに、全て筆描きによる手わざの集積で制作しています。
つるつるで艶のある特異な絵肌を持ちます。


ここからは、描画〜完成までを紹介します。


まずは、線描します。
そして油彩に入ります。描画は直接 部分から描き上げていきます。



「部分完成」を少しづつ増殖させていきます。
これはジョルナータをつないでいくフレスコ画の描法にも近いかもしれません。
はじめから明確な完成図を持っていなければできない描き方です。



画面全体の世界観を意識しながらも、一つ一つの部分に集中して描き込んでいくと、絵の全ての部分が等価であるという実感が込み上げてきます。



描画後 乾燥させて、最後に全体に保護膜となる透明なニスを塗り、画面全体に均一な艶を入れて、完成です。



2010年8月17日火曜日

制作過程 2



昨日に引き続き、絵の制作過程を紹介します。

それでは、実際の制作に入ります。
自分の求める表現に応じて素材や原料の割合を自由に変えられるので、支持体や下地から全て手作りで制作しています。
支持体は板です。硬質でツルツルな画面が特徴で、強い保存性を持ちます。


●支持体

板に桟を組み、パネルをつくります。板が反らないように桟は間隔を狭く多めに入れます。




●膠引き

膠1:水10(重量比)の割合で混ぜ湯煎します。それをパネルに刷毛で2層塗り、一晩以上乾燥させます。




●地塗り 白亜地

白亜、チタン白、膠水、水を混ぜ合わせ、パネルに刷毛で8〜10層塗ります。


●乾燥と研磨

乾燥させ、サンドペーパーでツルツルに研磨します。白い粉塵が舞い、いつも大変なことになります。



これで下準備が完了です。ここから描画が始まります。
地塗りは作品によって刷毛でなくヘラで塗る時もあります。


2010年8月16日月曜日

制作過程 1



お久しぶりです。
ずっと制作に没頭していました。


今日は絵の制作過程を紹介します。
「Light」の作品を例に、まずは一番最初の構想から

「Light」の絵は、古典技法を応用して薄くフラットな層を少しづつ重ねていくことで、つるつるで艶のある絵肌をつくっています。
そのためには、完成図をはじめからほぼ完全に決め、無駄な絵の具層やマチエールを限りなく無くすことが重要です。

構想にはいつもかなり時間がかかります。
構想する時間は最も辛く、イメージがわく瞬間は最も興奮します。
絵のイマジネーションが一番浮かぶのは銭湯や風呂に入っている時で、すぐに何かにメモしてどんどんイメージを膨らませていきます。




まずはペンや鉛筆で頭の中のものを描き出します。



ドローイングを数十枚(時には百枚以上)描きながら、次第に色も入れて、イメージを具体化していきます。


ジェット機の翼が生え、宇宙に飛翔していくイメージに変貌します。



全体のヴィジョンから部分へと造形化が進み、構図が定まります。
ここから実際の制作が始まります。