個展 "ALIEN VISION"



   「Tears and Light」2011、板 白亜地 油彩、116.7×116.7cm




石山浩達展
Hiromichi Ishiyama Solo Show
"ALIEN VISION"

会期:1/16 mon 〜1/28 sat.2012
時間:15:00〜20:00(lasy day 〜18:00) , 日曜休廊
オープニング・パーティー:1月16日 17:00〜
会場:東京都中央区日本橋兜町16−1 第11大協ビル3F 
    Art Lab TOKYO
詳細は・・・http://art-lab.jp/



「ALIEN VISION」
・・・「宇宙から地球を見る。エイリアンの視点から地球と人間をとらえる。」というメインコンセプトの総称。Light , Darkness , Eternal 他 様々なタイプの作品群全てを「ALIEN VISION」のコンセプトで制作。・・・


個展を開催します。
今回は、「ALIEN VISION」の一つ、「Light」のペインティングシリーズで展覧会を構成します。
「Light」をまとまった形で本格的に揃えた初の展覧会です。
ご期待ください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    「Venom and Light」2010、板 白亜地 油彩、91×91cm


「Light]」・・・光をテーマとして、対象に迫り、繊細なタッチで画面をコントロールして描いた作品。




<制作過程 1>

「Light」の制作過程を紹介します。
まずは一番最初の構想から

「Light」の絵は、古典技法を応用して薄くフラットな層を少しづつ重ねていくことで、つるつるで艶のある絵肌をつくっています。
そのためには、完成図をはじめからほぼ完全に決め、無駄な絵の具層やマチエールを限りなく無くすことが重要です。

構想にはいつもかなり時間がかかります。
構想する時間は最も辛く、イメージがわく瞬間は最も興奮します。
絵のイマジネーションが一番浮かぶのは銭湯や風呂に入っている時で、すぐに何かにメモしてどんどんイメージを膨らませていきます。



まずはペンや鉛筆で頭の中のものを描き出します。



ドローイングを数十枚(時には百枚以上)描きながら、次第に色も入れて、イメージを具体化していきます。


ジェット機の翼が生え、宇宙に飛翔していくイメージに変貌します。



全体のヴィジョンから部分へと造形化が進み、構図が定まります。


<制作過程 2>

ここから、実際の制作に入ります。
自分の求める表現に応じて素材や原料の割合を自由に変えられるので、支持体や下地から全て手作りで制作しています。
支持体は板です。硬質でツルツルな画面が特徴で、強い保存性を持ちます。


●支持体

板に桟を組み、パネルをつくります。板が反らないように桟は間隔を狭く多めに入れます。




●膠引き

膠1:水10(重量比)の割合で混ぜ湯煎します。それをパネルに刷毛で2層塗り、一晩以上乾燥させます。




●地塗り 白亜地

白亜、チタン白、膠水、水を混ぜ合わせ、パネルに刷毛で8〜10層塗ります。


●乾燥と研磨

乾燥させ、サンドペーパーでツルツルに研磨します。白い粉塵が舞い、いつも大変なことになります。



これで下準備が完了です。ここから描画が始まります。
地塗りは作品によって刷毛でなくヘラで塗る時もあります。


<制作過程 3>


僕は絵画を描かれた図像だけでなく一つの物質として強く意識しています。物質としての強度を生むために、板に白亜地を土台にして、描画はエアブラシ等は使わずに、全て筆描きによる手わざの集積で制作しています。
つるつるで艶のある特異な絵肌を持ちます。


ここからは、描画〜完成までを紹介します。


まずは、線描します。
そして油彩に入ります。描画はアンダーペインティングなしに直接 部分から描き上げていきます。



「部分完成」を少しづつ増殖させていきます。
これはジョルナータをつないでいくフレスコ画の描法にも近いかもしれません。
はじめから明確な完成図を持っていなければできない描き方です。



画面全体の世界観を意識しながらも、一つ一つの部分に集中して描き込んでいくと、絵の全ての部分が等価であるという実感が込み上げてきます。



描画後 乾燥させて、最後に全体にニスを塗り、画面全体に均一な艶を入れて、完成。


人気の投稿