宇宙とアート
© ISHIYAMA Hiromichi "Electric sense" 2010 Photo:Matsubara Yutaka
"宇宙"をテーマに作品を作るようになって、もうどれくらい経つのだろう。
宇宙からエイリアンの視点で地球と人間をとらえた"ALIEN VISION"の第1作目は、2009年に発表した「Light in Venus」です。
でも、僕が"宇宙"を核としてアートをやり始めたのは、もっとずっと前からのことです。
子どもの頃から絵を描けば、必ずと言っていいいほど背景に月や太陽や惑星や銀河などの宇宙の姿を描いていました。家族でキャンプに出かけても、キャンプ場で宇宙の図鑑を読みふけり、ベテルギウスや未知の惑星に思いを馳せて巨大な妄想を膨らませていました。まだ25年しか生きていないのに、もう20年くらい"宇宙"を描き続けていることになります。
宇宙とアートを融合させる----------------------------------------------
これは、何か本能のようなものなのか、宇宙を描き続ける明確な理由は自分でもわかりません。地球や人間を遥かに超えたスケールをもつ「宇宙からの視点」は、僕が絵を描く上で必要不可欠な要素として常にあり、いつの間にかそれが"ALIEN VISION"という具体的な形となり、絵や立体や空間芸術をつくるようになっていました。
今は、湧き出てくるアイデアがたくさんありすぎて、作品化するための手が追いつかない状況です。1日が24時間ではとても足りず、その倍くらい欲しい、と感じる日々です。
今は、湧き出てくるアイデアがたくさんありすぎて、作品化するための手が追いつかない状況です。1日が24時間ではとても足りず、その倍くらい欲しい、と感じる日々です。
©ISHIYAMA Hiromichi "Alien Vision:unlimited oi" 2013
Photo:Matsubara Yutaka
©ISHIYAMA Hiromichi "Light in Venus" 2009
©ISHIYAMA Hiromichi "Alien Vision:unlimited oil" 2013
Photo:Matsubara Yutaka
©ISHIYAMA Hiromichi "Cube" 2008
©ISHIYAMA Hiromichi "ALIEN VISION 6:Manga" 2013
Photo:Matsubara Yutaka
"宇宙"とか、"エイリアンの視点"とか、僕の作品のコンセプトがぶっ飛び過ぎているのか、"宇宙"をテーマにした作品は、数年前まではなかなか他者の共感を得づらいこともありました。
「私的で狭小でどこかに傷があり、内向き、ネガティブ、ナイーブなものが流行の日本の現代アート界」において、"宇宙"から見る"ALIEN VISION"の作品など、流行の対極にあったのかもしれません。
ところが時間が経って、最近は自分の想像以上に"宇宙"の作品の世界観が鑑賞者に伝わっていき、共感や反響を示す方がとても多いことが不思議です。
それは、なぜなのか。
作品にエイリアンを表象した立体や漫画が加わったことで、作品の世界観が伝わりやすくなったことも要因の一つだとは思います。
でも、要因はそれだけではないように感じています。
「私的で狭小でどこかに傷があり、内向き、ネガティブ、ナイーブなものが流行の日本の現代アート界」において、"宇宙"から見る"ALIEN VISION"の作品など、流行の対極にあったのかもしれません。
ところが時間が経って、最近は自分の想像以上に"宇宙"の作品の世界観が鑑賞者に伝わっていき、共感や反響を示す方がとても多いことが不思議です。
それは、なぜなのか。
作品にエイリアンを表象した立体や漫画が加わったことで、作品の世界観が伝わりやすくなったことも要因の一つだとは思います。
でも、要因はそれだけではないように感じています。
最近は、アートの分野でも宇宙が流行り出してきたようです。その他の分野でも、"宇宙"というワードを耳にする機会が増えました。
ずっとリアリティーをもって"宇宙"を描き続けてきた者としては、「何だ今頃、やっとか。」と感じなくもないのですが、社会や地球全体がこれだけ切迫した状況になり絶望感が漂う中で、時代の変容とともに、人間の意識が"宇宙"に向かうようになってきたのでしょうか。
ずっとリアリティーをもって"宇宙"を描き続けてきた者としては、「何だ今頃、やっとか。」と感じなくもないのですが、社会や地球全体がこれだけ切迫した状況になり絶望感が漂う中で、時代の変容とともに、人間の意識が"宇宙"に向かうようになってきたのでしょうか。
©ISHIYAMA Hiromichi "A piece of galaxy 2" 2011 Photo:Matsubara Yutaka